なぜ美容外科医療は事故・苦情が多いの?その原因は?日米美容看護師が解説
こんにちは!
日米看護師のカメナースです。
美容外科で手術をする前の方
美容外科に看護師として就職や転職を考えている方は是非、最後まで読んでいただいて
手術にほんとに踏み切って良いか?
転職して本当に良いか?
考える材料になれば幸いです!
美容医療サービスに関する相談やクレームの件数
美容医療サービスに関する相談やクレームの件数は
2014年をピークに近年は相談件数が下がっているものの、
依然年間2000件以上のクレーム相談が寄せられている現状です。
日本では、全国的に60歳以上女性が被害にあった高額な美容医療トラブルが多数発生しているので、警告がでています!!
苦情や相談の内容は
- 施術不良
- 金銭的なトラブル
- 医療者からの説明不足
- 手術後の後遺症
などです。
美容外科手術をしたことを周囲に知られたくない現実
苦情や相談は、美容外科手術をしたことを周囲に知られたくないという理由から氷山の一角である可能性もあるようです。
美容外科医師は、他の医療分野に比べ医療事故が多いことから民間の医師賠償責任保険への加入ができないことがあります。
それだけ、他の分野より医療事故が多いということです。
美容外科で、医療事故や苦情が多い原因は何故なのかな?
美容外科看護師が真剣に深ぼってみました。
美容外科看護師が真剣に
医療事故・苦情とその原因を考えてみた
1つ目は、医師、看護師共に知識・技術不足
医師の美容医療経験に差がありすぎる
美容外科の医師の中には,経験豊富な医師もいます。
しかし昨日まで内科や外科をしており、美容外科医師臨床研修を受けていない医師が勤務している現状です。
看護師の経験にも差がある
知識・技術不足は看護師も同しで、美容外科看護学は看護師育成教育機関の授業カリキュラムに組み込まれないんです。
看護国家試験にも美容看護に関する問題は出題されないのです。
つまり美容外科看護師を目指す人は、現状の看護師の労働環境の中、自分自身で必要となるスキルを習得しなければいけないのです。
看護師の使命を果たさなければならないのです。
個人個人の努力があるか無いかによって、知識や技術に大きな個人差が生じてます。
クレームの中の説明不足になり、医療事故や苦情の原因となっています。
医療事故・苦情とその原因の2つ目は、手術室に執刀医と看護師のみで、麻酔科医が不在の状態で手術をしている
執刀医は患者の術野のみに集中していて、麻酔導入による循環動態やバイタルサインの変化に気付かず、アナフィラキシーショックなど生命に関わる不測の事態への対応が遅れ不慮の事故を招く美容クリニックや美容外科があるのです。
緊急時に、人工呼吸、挿管、心肺措置の対応できない職場では、正直、看護師は働きたくないのが現状でしょう。
アナフィラキシーショックとは
薬や食物が身体に入ってから、短時間で起きることのあるアレルギー反応。
アレルギー反応がひどい時、息苦しさなどの呼吸器症状が急に起こり、血圧低下、意識レベルも低下するため緊急処置が必要になります。
この医療用語、最近の感染症ワクチンの後遺症で、初めて聞いた方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
緊急処置がされないと大変な事態になります。
3つ目は、美容外科は自由診療、手術内容や費用を各々の美容外科が独自に設定し広告していること
そのためビジネス色が強く、お医者さんではない起業家が経営する美容外科も存在してます。
医師や看護師を雇って開業し、手っ取り早くお金が儲かる方法や広告を考え、コンビニのようにチェーン展開。
医療倫理に欠いた体制が存在することが挙げられるます。
利益追求ビジネス色が強い場合
このように利益追求ビジネス色が強い場合、売り上げへのプレッシャーやノルマを達成する必要あります。
美容外科は命に関わる医療行為を患者さんに提供しているにも関わらず、利益を重視するあまりに必要でない手術を勧めることになったり、あるまじき乱診乱療を生み出しているのです。
60歳以上の方のクレームの原因は、ポストに投函される紙広告ともされていました。
医療用語の説明
ここまでの医療用語について、簡単にご説明します。
執刀医とは
執刀医とは、メインで手術(体にメスを入れる)するお医者さんのことです。
麻酔科医とは
麻酔科医とは,麻酔の専門お医者さんのことです。
術野(じゅつや)とは
術野(じゅつや)とは、手術を行っている最中、医師の眼で確認できる創周囲の限られた範囲ことです。手術の際、看護師は医師が術野をしっかりと視認できるように筋肉や臓器等をカギ状の医療器具で押さえる行為を“術野”を広げる”って言ってます。
バイタルサインとは
バイタルサインとは、人はが生きるために必要な機能のことで、血圧、脈拍、体温、呼吸など生命を維持する大切なサインのことです。
アナフィラキシーショックとは
アナフィラキシーショックとは、人の命を脅かしてしまうようなアレルギー症状が急に出てしまうことです。
自由診療とは
自由診療とは、保健で治療費がでないので、全額自分で治療費を払う診療のことです。
美容外科手術成功のかぎ
美容外科看護師の個人的な思い
手術成功と失敗
美容外科手術って成功すれば、人生観をも変わり得るような大きなリターンが見込めると思います。コンプレックスをなくすこともできるでしょう。
でも、一度メスを入れた身体のパーツは完全には元の状態に戻せないのを知っておいてくださいね。
そのため手術成功に必要な条件が1つでも欠けてしまって、元に戻せない状態になってしまったら、患者さんは大きなリスクを負うことになってしまうのです。
SNSが盛んだから
SNSなどを通じて、みんながどれだけ充実した毎日を過ごしているか写真や情報を頻繁に共有できる機会がたくさんありますね。
こんな社会の中、美や可愛いに関する多くの情報が可視化されます。
みんなの意識下で抑えられていたコンプレックスが表にふつふつとわき出てきて,美容医療の需要はますます増加していくのでしょう。
美容看護師は患者さんを満たされた状態にする使命がある
美容看護師は患者さんが肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態になるためのケアを提供する使命があるんです。 言い換えれば、患者が毎日を幸せに過ごせるように援助します。
患者さんの精神状態を読む観察眼が看護師に必要で難しい
患者さんと多くの時間を過ごす美容外科看護師は、患者さんの精神状態を読む観察眼を持って、患者さんの理想とする美しさや可愛いを理解できる美的センスを備えていなければならないと思うのです。
個人の理想の可愛さや美は,個人個人の主観や時代によって変化しちゃうので,他の人がそれを客観的に正しく理解するのは難しいです。
でも患者さん個人の状況に合わせた医療者的アドバイスや対応が必要です。
インフォームドコンセントの内容
美容看護師は、インフォームドコンセントの内容を十分に理解して、患者さんが不安や疑問に感じることはないかなどを明確にして、患者さんの代弁者,擁護者となる使命があります。
最新の幅広い知識と美容外科独自の患者ケア、安全対策などの幅広い領域を包括したスキルを持って、さらにどんなことにも揺るぎない倫理観を持って、美容外科看護の質を向上させる必要があるんです。
専門的、包括的なアプローチによる洗練された看護ケアが医療事故・苦情を未然に防ぐことができ,そのことは患者の満足度へ繋がると思ってます。
日本では、美容外科看護の調査・研究はほぼされていない状態
日本では、美容外科看護の調査・研究はほぼされていない状態です。
それから美容外科看護は、看護師育成カリキュラムの履修科目にも、看護国家試験にもこの領域の出題もなく。
看護師免許更新講習も専門看護師の認定もない。つまり美容外科看護師は自己学修、自己評価をする現状です。
新しく美容外科に就職や転職してきてくれた看護師
自分の看護スキルを客観的に評価されない環境があるです。
新しく美容外科に就職や転職してきてくれた看護師が、美容看護に不安を感じたままの状態になることは良くない!!!
患者さんが置かれている環境、美容外科看護師を取り巻く環境をいろいろと明らかにしていくべきですね。
患者さんの “こころ”と“からだ”の悩みを同時に解決できる!患者さんが毎日をより楽しく過ごせるように、美容手術を受けて良かったと思ってもらえるようにしていかないといけないなと思います。
この記事の著者:ニューヨーク・カリフォルニア国際看護師(BSN)・1級ネイリスト カメナース